姥捨山伝説って(10月21日)
皆さんは「姨捨の棚田」をご存じですか?
私事で恐縮ですが、先日初めてJR「姨捨駅」
に行ってきました。
ホームからは眼下に広がる棚田が望めます。
稲穂がはざ掛けされ、刈り取られた田んぼの
真ん中で親子がお弁当を食べていて、とても
のどかな景色でした。
そして「おばすて」と聞いて思い浮かぶのが
姥捨山伝説。
役にたたなくなった老人を山奥に捨てるという
伝説で、その代表的なものが信州更級の姨捨山
にまつわるものとなります。
その伝説は二つあるそうで
1)昔、お殿様から老人は不要だから捨てよと
の命があり、ある孝行者はこの制度が守れずに
母親を家の中にそっと隠しておいて、のちに
他国からの難題の数々を隠しておいた母の知恵
で解いてご褒美をもらった、というもの。
その難題には「蟻通し」や「馬の親子」
「灰の縄」など種々あり、昔話になっています。
2)信濃の国のある男が親を失って姥(伯母)を
大切にしていましたが、妻が憎むので捨てなけ
ればならなくなりました。
そして月夜に姨捨山に捨てるものの耐えきれず
「我が心なぐさめかねつ更級や姨捨山に照る月
を見て(古今集)」の歌を詠んで迎えに行った
というものです。
姨捨山は今の冠着山(かむりきやま)のことで
月の名所となっています。
「まんが日本昔ばなし」でも語られているほど
有名な話ですが、これが事実かどうかは定かで
はないようです。
とはいえ現代日本の少子高齢化や認知症の
増加率などで、なんだか昔話とは言ってられな
い事件や事故が多くありますよね。
あれこれ考えさせられた秋の一日でした。
帰りがけに夫が「お前を捨てて行こうか?
と思ったけど俺が捨てられそう・・」と
ポツリ呟いていました(笑)
※樹木葬と聞くと何故か姨捨山がふと浮かんで
くるのは私だけでしょうか?