春の花だより(2017年3月12日)
実相寺の参道を入ると、右手に遅咲きのツバキ
が咲き始めました。
すでに左手にあるピンクと赤のツバキはかなり
前から咲いているので、運動会の徒競走でビリ
から2番目くらいにやってきた子を見るようで
なんとなく親近感が湧いて愛おしく眺めています。
ところで皆さんは「椿」という名前の由来は
ご存知ですか?
古代の人はツバキの花よりも、冬になっても
落ちることなく、常に緑の葉が見られる
「常緑樹」の葉に神聖なものを感じていて、
①葉が丈夫なことから「強葉木(つばき)」
が転じたとする説。
②つやのある葉から「艶葉木(つやはき)」
が転じたとする説。
③葉が厚いことから「厚葉木(あつばぎ)」
が転じた説などがあるそうです。
なお日本原産の、ツバキの漢字「椿」は、
日本でつくった国字で、春に花が咲くことを
あらわしているとのことです。
また、学名の「カメリア・ジャポニカ」は、
現在のチェコの宣教師で植物学者でもあった
ゲオルク・ヨーゼフ・カメル(1661~1706)
の東洋における植物調査の功績を記念した名前
で1735年にスウェーデンの植物学者
カール・フォン・リンネ(1707~1778)が
日本のツバキにカメリアと命名。
花言葉の由来は「控えめな優しさ」
「控えめな愛」「控えめな素晴らしさ」など
”控えめ”がつく花言葉があり、花に香りがない
ことに由来するといわれています。
日本を代表する花「椿」を見ながらお寺の
玄関を入って、3階に上がっていただき、
もう一つの代表花「さくら」が満開の納骨堂で
ゆっくりと心の洗濯はいかがでしょう。