小さな灯火会(2019年7月25日)
7月に東京で多く行われる「お盆」が過ぎ、
納骨堂は花で満ち溢れていました。
8月の旧盆には「灯火会」を開催します。
仏教において照明はもっとも重要な意味合いをもっており、
初期の仏典に拠ると、ブッダのために灯明をともす事は、
大変徳が高い行為と讃えられています。
その昔、お釈迦様がインドのある町へ説法に来られることになり、
富んだ者達は油を買い求め、競って大きな火を灯しました。
町で一番貧しい老女は、自分の髪を切って少しの油をようやく手に入れ、
道の端の方に置いたそうです。
お釈迦様が町に近づく頃、突然風が吹き荒れて無数の灯火は一斉に消え
町は暗闇に包まれました。
ただ老女の捧げた一灯だけが決して消えることはなくお釈迦様は無事
たどり着けたというお話です。
弟子の一人が「お釈迦様、あれほどの激しい風が吹き、町中の大きな灯火が
一斉に消えてしまったのに、なぜこの小さな火だけは消えなかったのでしょうか?」
と尋ねると
「見栄や執着は、自身をまぶしく照らし出すこともあるが、一瞬でくじかれ
消えてしまう弱さと共にある。一方、会い難き仏と法の価値を知り、その恩に
素直に報いようとする者には、永遠に消えることのない生命の明かりが宿り、
正しき道を照らすものなのだ」とお答えになったそうです。
仏様の道標となるように8月12日(月)16日(金)に
実相寺の参道にも小さな明かりが灯ります。
19時頃お越しいただける方はご参加下さいませ。
※天候等により開催中止の場合がございます。
(雨と風が強くなければいいのですが…)